インプラントの歴史

現在、日本でも広く行われるようになったインプラント治療ですが、その歴史は古代にまで遡ります。遥か昔のインカの王族たちは、 抜けた歯にエメラルドの歯根を植え込んでいました。もちろん、エメラルドは宝石として価値があるわけで、 生体との親和性はよくありませんから、定着することはなく、むしろ周りの組織に悪影響があったようです。
その後も様々な動物の骨や他の人間の歯が義歯として使われましたが、いずれも歯根を定着させることはできませんでした。 そして、時代は骨から金属へと移り変わっていきます。
1940年代まで、口腔外科において使われていたのはコバルトクロム合金でした。元来は整形外科の骨接ぎなどに使われていた金属を口腔にも使用できないかと考えたのです。 しかし、生体との親和性はやはりなく、予後不良が続きました。ところが、1952年に画期的な発見がスウェーデンのブローネマルク教授によってなされます。
ブローネマルクはある時、ウサギの足の骨に埋め込んだ生体顕微鏡が取り外せなくなっていることに気づきます。
これはチタンと骨が融合したからではないかと考えたブローネマルクは、この現象を「オッセオインテグレーション」、すなわち「骨との一体化」と表現します。 そして1965年から臨床実験をはじめ、20年足らずで非常に予後の良い治療法を編み出します。 この報告は世界中に衝撃を与え、ここから一気に「安全で確実なインプラント治療」が確立されていくことになったので
